STILL LIFE
アートや音楽 思ったことを つれづれに
出会うことば
求めていると何かのカタチでそれは現れてくることがあります。

ここ数年考えることが抽象的で感情的なことが多くてどうしたものか、と考えあぐねていました。

そろそろまとめなきゃ‥と思うのかどうか、一冊の本に出会う。

中身も見てないのにネットで「本当のことは静かに聞こえる」というキャッチコピーと「細野晴臣」
というだけでこれは必要な本だと直感的に思え、購入して数ページを見た。

僕が年代によって、本で大きな影響を受ける人は遍歴があって(他の人にもあるか)

高校時代‥中村信夫(定かではない)「少年アート」
大学生時代‥藤原新也(著書全般)
20代半ば‥大竹伸朗(「カスバの男〜モロッコ日記」「すでにそこにあるもの」他著書全般)
20代前半中半‥池澤夏樹(「スティル・ライフ」他著書全般)
20代後半‥駒沢敏器(「地球を抱いて眠る」)

と30台の前半に今あるわけだが、文字を見ようとなかなか思えなかった。
(少し内容は異なるが、漫画家の諸星大二郎の歴史観や垣間見える価値観は20代後半から今にいたるまでかなり影響を受けています。「栞と紙魚子の百物語」買わなきゃ‥)
上記の合間合間に見ていたのが細野晴臣の著書で「地平線の階段」「観光」などサイケデリックや宗教といったコアな内容のを好んでみていた。
思えば、失敗した細野さんの人生観を追体験させてもらったように思う。

それが新しい著書では「ほんとうのことは静かに聞こえる」といっているのだ。

僕は気に入った本の箇所のページのカドを折る癖があって、売らない本には必ずそうする。


―険しい道と楽な道がありますよね。
昔はマゾヒスティックに険しい道にあこがれていた。
ところがお釈迦様は修行は意味がなかったって言ってる。
そうだろうな、何やっても厳しすぎるのはよくないっていうかね、
楽しくないとよくないなってそういう風になってきた。

―今は考えないで簡単に音楽がつくれるじゃないですか。コンピュータとかで
たしかに。つくることはつくれる。
―でもちゃんと修練しないとできない音楽というものがあるんです。
それは60年生きてきてやっとできるようになってきた。
考えることなしに、頭のなかの理想の音の世界をみんなと表現できるようになってきた。
もはや、ああだこうだ考えない世界。
自然に出てくるという。それは境地だと思っているよ。


悟りっていうのはひとつの世界ではなくてプロセスなんだと思う。
そこに向かっていくっていうプロセス自体であって、悟りっていうのは「道」なの。
その「道」を歩むか歩まないかってだけなんだよ。
宗教では、川はどこから流れても海に行くっていうような比喩がよく使われるんだ。
その海にあたるものが死の世界なのか、生の世界なのかは見方によって違うだけなんだ。

(「分福茶釜」細野晴臣・聞き手:鈴木惣一郎 より)

こう何か日常でわだかまっていたことをすんなりと言葉にしてくれて、
また新たな方向からの「道」を提示してくれていると勝手に解釈しています。

「修練しないとできない」創作があるといってくれている。
その言葉だけでもアーティストには力になる言葉だ。
あと27年後にそう思えたらいいけれど、それは目指すものではない。

続けていけばこそ、カタチになる。
最近その片鱗がみえてきたところだ。

言葉に甘んずることもないが、抽象的なことを言葉という記号で整理して考える。
「願えば叶う」という嘘っぽい青い言葉は大嫌いだが、「欲しいと思うといつのまにか目の前にあった」みたいなたなぼたな軽さはいいなと思う。金銭的な意味じゃなくてよ。。

ええと何が書きたいかわからなくなってきました。

一文だけで10個の停車駅を過ぎる時間を空想で埋められるような本に出会うことは嬉しいことだったのです。